喘息(気管支喘息)ってどんな病気?

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喘息ってどんな病気?

慢性の気道の炎症、気道過敏性の亢進、可逆性の気道閉塞を特徴とする疾患であり、閉塞制換気障害をきたす。気道炎症、気道の過敏性亢進、気道閉塞は病態の無い時でも常に存在しており、徐々に進行して喘息発作を出現しやすくする。

つまり、発作時に見られる喘息の症状は氷山の一角に過ぎず、喘息の原因は水面下に隠れている。
発作性で反復性の咳嗽、喘鳴、呼吸困難を主徴とする。

※喘鳴・・・呼気時に「ゼエー」「ヒュー」といった高音の連続音が、聴診器無しで聴かれる病態。

日本では有病率は小児で10〜15%、成人で6〜7%(欧米の約1/2)である。
喘息の症状は主に発作時に見られ、非発作時にはほとんど見られない。
発作は反復性で、安静時にも生じる事が特徴である。

発作に引き金としては、ハウスダスト、ペット、真菌類、上気道感染(カゼ症候群など)、疲労やストレス、タバコなどの気道刺激物質、気温、気圧の変化、時間帯(夜間や明け方)などがあげられる。

病因による分類として喘息は
a) I型アレルギーが関与するアトピー型(IgE依存型/アレルギー型)
b) I型アレルギーが関与しない非アトピー型(IgE非依存型)に分類される。

a) アトピー型(外因性)

・ほとんどが小児期(5歳未満)に発症
・春秋に増悪しやすい
・小児喘息患者の90%以上を占める
・男児に多い
・他のアレルギー疾患の合併が多い
・多くは軽症で約70%は成人までに緩解する

b) 非アトピー型(内因性)

・多くは成人(40歳以上)に発症
・冬に増悪しやすい
・年齢が上がるごとに割合は増加する
・成人喘息患者の40%程度
・他のアレルギー疾患との合併は無い
・中等症〜重症である事が多い

喘息の炎症は、炎症細胞(好酸球、マスト細胞、T細胞など)と気道の構成細胞(上皮細胞、線維芽細胞、平滑筋細胞など)から分泌される種々の炎症性メディエーターやサイトカインの作用によって生じる。

炎症で見られる変化には、急性に生じる変化と慢性の経過で生じる変化があり、炎症は非発作時にも存在している。

〜気道炎症の機序〜

炎症細胞+炎症性メディエーター、サイトカインの産生・放出
        ↓
急性の炎症
①平滑筋の収縮
②粘膜・粘膜下の浮腫
③気道粘液の分泌亢進
④気道上皮細胞の破壊・剥離
        ↓
慢性の炎症
⑤粘膜下腺の過形成
⑥上皮下線維増生
⑦平滑筋の肥大
⑧血管増生
        ↓
気管支過敏性の亢進
気道の閉塞
気道の組織構造の変化

炎症と気道閉塞

・気道炎症は気道閉塞の誘因になる
・急性の病態による気道閉塞には可逆性があるが、慢性の病態による気道閉塞には可逆性は無い

炎症と気道過敏性の亢進

・気道炎症による気道上皮細胞の破壊・剥離と気道の組織構造の変化が気道過敏性を亢進させる
・過敏性が亢進した気道は、外因性・内因性の刺激に対して収縮しやすくなる

炎症と気道の組織構造の変化

・慢性的な炎症によって障害された気道では、不完全で不可逆的な修復により、組織構造の変化が引き起こされる

喘息の診断は?

・喘息の診断は、身体所見、臨床検査の結果から総合的に診断される
・呼吸機能検査で末梢気道の狭窄と可逆性の気流制限を確認する
・症状が揃わない初期の喘息や器質的心肺疾患(COPDや心不全など)と喘息との合併例では、診断が困難となる

どんな検査をするの?

①呼吸機能検査

a) ピークフローメーター
気流制限の可逆性の証明や重症度の評価を行う

b) スパイロメトリー
ⅰ)スパイログラム・・・1秒量、1秒率を測定する事により気流制限の評価を行う
ⅱ)フローボリューム曲線・・・曲線の形状により、閉塞性換気障害及びその重症度をの評価を行う

c) 気道過敏性検査
ヒスタミンや迷走神経刺激(アセチルコリン、メサコリン)、運動、過換気に対する気道の過敏性の評価を行う

②アレルギー検査

a) 血清IgE値測定・・・特定の環境アレルゲン(ハウスダストやダニなど)ニ対する特異的なIgE抗体の有無を評価する
b) アレルギー反応を評価する

③胸部X線検査

他の器質的心肺疾患を除外する

④CT

COPD(慢性閉塞性肺疾患)の合併の有無を評価する
気管支壁の肥厚の程度や重症度を評価する

一般的にはどんな治療をするの?

・喘息は発作と非発作を繰り返す疾患であり、完治する例は一部に限られる
・急性期の発作の治療と慢性期(非発作時)におけるコントロールが重要となる
・治療薬は長期管理薬(コントローラー)と発作治療薬(リリーバー)に大別される

a) 長期管理薬(コントローラー)

・主に発作時
・症状の寛解・増悪予防
→症状のコントロールを目指す

・抗炎症薬
 ステロイド(吸入・経口)
・気管支拡張薬
・ロイコトリエン受容体拮抗薬・抗アレルギー薬

b) 発作時治療薬(リリーバー)

・発作時に使用
・発作時の気管支けいれんの抑制
→喘鳴、咳嗽、呼吸困難などの急性症状を抑制する

・気管支拡張薬
・抗炎症薬
 ステロイド(経口・点滴静注)

  

日常生活での予防と対策

・定期的にPEF値(大呼気流量)を測定し、測定値と測定時の状況とをあわせて喘息日記をつける
 
・ゾーン管理システム・・・これはPEF値によって発作の危険を3段階に分けたものである。ゾーン管理を使う事で患者自身が悪化の徴候を感知して、発作予防の為の対応を撮る事が出来る

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